アンディ・マレー、引退会見で涙 ウィンブルドンを目指す気持ちも「できる確信はない」

過去3度グランドスラムを制し、BIG4と呼ばれていた
会見で涙を流したアンディ・マレー
会見で涙を流したアンディ・マレー
Scott Barbour via Getty Images

元世界ランキング1位で、世界で最も偉大なテニスプレーヤーの1人であるアンディ・マレーが1月11日、引退を発表した。右腰の痛みが原因という。

記者会見でマレーは、7月に母国イギリスで開催されるウィンブルドン選手権に言及し「ウィンブルドンに出場して(選手としてのキャリアを)終わらせたいとチームに伝えた。だけど、それができるかどうか確信はない」と話した。

1月27日まで開催中の全豪オープンが、最後の試合になる可能性があると涙を流した。

感極まり席を立つ

マレーは記者会見の冒頭、イスにかけると口を手でふさぎ、憔悴した様子で顔を横に向けた。

選手としての輝かしいキャリアに幕を下ろすことになったマレー。けがに悩まされている現在の心境を記者に問われると、質問途中に息を漏らし、うつむいた。

マレーは少し時間をおいて「あまり調子はよくない」と言い、大きなため息をついた。かぶっていたキャップに手をかざして下を向き、感情を抑えるように呼吸を整えた。

だが、その後何かを言おうとしたものの、45秒間うまく言葉が出なかった。こらえていた表情は崩れ始め、涙が出た。マレーはそのまま席を立ち、落ち着くために会見場から出ていった。

20カ月悩み続けた右腰の痛み

席に戻ったマレーは、現在の自分の状態について話し始めた。

「調子は良くない。このところ長い間、ずっと奮闘してきた。20カ月ほど、痛みに苦しんでいた。できることはすべてやったが、あまり効果がない」と言い、世界ランキング1位としてBIG4と呼ばれたころを指して「あの頃のレベルではプレーできない」と言葉を詰まらせながら続けた。

痛みは、半年前よりは改善されてきたものの、全力で試合に臨める態勢ではないという。

けがを引きずりながらの出場について「痛みがいつまで続くか分からないままプレーしていた。だから、決断を下そうと思った」と言うと、手で涙を拭いながら泣き出した。

痛みを取り除くための再手術についても言及したが「再起できる保証はない」と声を落とした。

2005年から本格的にプロとして活動を始め、過去3度のグランドスラム大会で優勝。2012年ロンドン五輪、2016年のリオ五輪で金メダルを獲得した。だが2017年に右でん部を負傷し、同年のウィンブルドン準々決勝以来、ツアーから遠ざかった。

2018年6月のフィーバーツリー選手権で復帰し、その後はけがの治療を続けながら試合に出場している。

1月7日時点の世界ランキングは230位

【訂正】2019年1月11日18時50分

当初、「I'm not ...not great」という部分を「僕は偉大じゃない」としていましたが、単に「調子が良くない」という意味と取る方が自然なため、訂正いたします。

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