鳴く鳥はオスだけ?いえ、メスもです。女性研究者の参入で崩れた“通説”、研究結果に驚きの声

ダーウィンの頃から科学者たちの間で信じられてきた見解が変わった。「性別や背景の異なる研究者は、科学における疑問やアプローチの多様性に大きく貢献している」
150年以上の間、鳥の鳴き声はオスの特徴だと考えられてきた
150年以上の間、鳥の鳴き声はオスの特徴だと考えられてきた
Getty Images

「科学者はオスの鳥だけがさえずると思っていたー女性が研究を始めるまでは」

世界経済フォーラムが公式サイトでこうしたタイトルの記事を公開し、話題を呼んでいる。

150年以上前からさえずるのはオスの特徴だと考えられてきたが、ここ20年ほどでメスも鳴くことが明らかになった。こうした新たな見解が生まれたのは「女性がこの分野の研究に参入したことによるもの」とする内容だ。

ジェンダーバランスを整えることが新たな発見をもたらした可能性があるということが、驚きを持って受け止められている。

研究テーマと性別に強い関連性

この記事は元々、研究者が執筆するメディア「The Conversation」に掲載されたものだ。

記事によると、進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンの著作に遡ると150年以上前から、鳥のさえずりは一般的にオスの特徴とされてきた。しかしここ20数年間の研究で、多くの鳥類、特に熱帯地域ではオスとメスの両方が鳴くことが明らかになったという。

記事では、科学における多様性の役割について、鳥の鳴き声に関する分野のケーススタディを行った研究を引用。

研究では、20年以内に発表された「メスの鳴き声」と一般的な「鳥の鳴き声」の論文を、研究者の性別やポジションで比較。「メスの鳴き声」に関する論文の筆頭著者の68%を女性が占めている一方、一般的な「鳥の鳴き声」に関する論文では44%で、研究テーマと性別には強い関連性があることが分かったという。

そのため、「性別や背景の異なる研究者は、科学における疑問やアプローチの多様性に大きく貢献している」と訴えている。

さらに記事では、ジェンダーは研究に影響を及ぼす可能性のあるアイデンティティの一つに過ぎないと指摘。「人種、民族、地理的位置、社会経済的地位など、他の多くの要因もまた、科学研究に重要な影響を与える可能性がある」「人種、性別、その他の偏りに対処することが重要であると示している」としている。

この記事を紹介したツイートは日本国内でも拡散。「これは怖い」「研究者のジェンダーバランスが事実を作る」と言った驚きの声や「さすがにそんなことはないんじゃないか」など、様々な受け止めがあった。

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