スーパーの食品トレーを漆塗りで再現 伝統工芸を学んだ作者の思いとは

スーパーの漆塗り風の食品トレーを本物の漆で再現したアート作品が、「毎日見てるのにどっちが本物か分からない」とネット上で話題になっている。

スーパーの漆塗り風の食品トレーを本物の漆で再現したアート作品が、「毎日見てるのにどっちが本物か分からない」とネット上で話題になっている。

作者は、イラストレーターのZennyanさん。芸術大学で伝統工芸を学んでいた2013年に制作したものだという。制作経緯について、ハフィントンポストに以下のようにコメントを寄せた。

きっかけは色々ありますがまず一つ。 当時は芸術大学で伝統工芸を学んでいましたが、同時に疑問も抱いていました。 伝統工芸の世界は型や形式をとても重んじるので、自分がつくった作品がその形式から外れているときに作品として認められないと言ったことがよくありました。例えば天然の漆を使用していないと合成樹脂の塗料でいくら丁寧に制作しても伝統工芸にはならないんですね。

当時は「素材や形式なんか作品の本当の価値は宿らないだろう」と思っていたので、皮肉を込めて制作していました。 本物と偽物の境界や、既成の価値観がちょっとでも揺れてくれたらと思います。

ちなみに写真のうち手前側が漆塗りの作品で、奥が本物の食品トレーだという。

■関連スライドショー(シンガポールのトリックアート美術館)

トリックアート美術館(シンガポール)

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